睨む男

モラハラに詳しい人によると、

彼らには

いくつかのパターンがあるんだって。


やたらに優しいハネムーン期。


怒りや不満が爆発する怒張期。


そしてフーセンが、ぱあんとはじける爆発期。


家のモラも、面白いくらい

パターン通り。


そういえば、ここのところ

ハネムーン期が、長く続いていた。

長いといっても、ほんのニか月くらいか。


モラオが、人を睨んだり

怒鳴ったり、バタバタ不快なモラ音を

わざとたてたり、

ついに、暴言キレて

破壊行動にはいったり


という、一連の不快な嫌がらせが

なかっただけ。


普通の人間みたいに

おはようをたまに言ったり

休みの日には、そのへんを

一緒に散歩したりもできたよ。

人をバカにすることも

怒張期よりは少なかった。



だからこの人は本当はいい人なんだ。

とはさすがにもう思わないけどね。



それが、ずっとは続かない。


必ず、周期的に怒張期に入る。

ほんと、何か脳のお薬を処方して

ほしいくらい。



いまは、ようやく怒張期に

入りました。


帰ってきて

洗濯物が干してあるのもなぜか

気に入らないし


何を言っても攻撃のマトになる。

さっきなんて、さあ❓と言っただけで

ふざけんな!!○▽◇と、

わーわー、キレてわめいて

すごい勢いでドアを閉めたよ。



食事のときになっても、まだ執念深く

無視して人を睨みつけて

いたよ。


あの眼。


睨みつけるのは、結婚前からだった。



二人でドライブに行ったとき、

何も原因がないのに、わたしを

時々、すごい目で睨みつけていた。



スタスタと、一人で先に行くことも

多くて、立ち止まって

また人を睨む。


そんな男と、よく今まで

一緒にいられたよねと

こういう話を人にすると

きっと呆れられる。


うん。


蛇に睨まれたカエルだったの。

洗脳されて、逃げ出せなかったのかな。


わたしが悪い、わたしが悪い。



何かをどうかすれば

二人の仲は良くなるんじゃないかって

愛され妻になるんじゃないかって。



ばかばかしくも、健気だったよ。


なぜ彼が私を睨むのか。


わたしが羨ましいから。


自分にないものがあるから。


空っぽの自分は勝てないから。


睨むしかないんだなあって。


モラを理解したいわけじゃない。


ただ、1日のなかで自分の

不快な時間をなくしたいの。


嫌なこと、つらいことは

みんなここに吐き出して

忘れたいの。

モラのことなんて

いつも考えていたくないよ。


さ、いまから

何しようかな。